2013年8月8日木曜日

第24回 全国老人保健施設大会in金沢 報告





 アロマをテーマにした小郷慎一さんの発表についていった南範英さんが朝礼で報告したので、長文のレポート全文を掲載します。

■■7月24日  大会1日目。
●演題:食べる事を通してのリハビリテーションと多職種協働
 上記のテーマについての講義を聴きました。
「食べる」という大きなテーマについてそれぞれの専門職の観点から話しており、最終的な答えとしては食事をする上で「姿勢」が大事と言われてました。口腔機能・嚥下機能・シーティングポジショニングという所から「美味しく食事を食べる」に繋がると言われていました。
「食べる為にはどうすれば良いか」という点で、まず口腔機能としては、刺激性の唾液を分泌させる口腔ケアを行う事により、「食べたい」という気持ちにさせると言われていました。
次に、嚥下機能面では5期モデルについての講義でした。食べる前には、先行期5感で食べ物と認識し準備期に入り口腔期・咽頭期・食道期が全て行なえて初めて「食べたい」と言う気持ちになると聞きました。
 最後にポジショニングについて、姿勢を良くする事により誤嚥をしなくなると言う風に聞きました。その後、実際に実技を行ない誤嚥体験をしました。車椅子を使用しポジショニングについて学んだ。私達が普段行っていた、食事時の座位は、とても悪影響を及ぼしていると聞きました。実演を交えて行う事で、その事が良く分かりました。今回、実演を通して是非会社の職員にも誤嚥行って頂き、身をもって体験する事で利用者の気持ちにたった介護が行えるのではないのかと感じました。
 最後に、自分自身が誤嚥してみる事で利用者の方の気持ちが分かり普段行っていた介護が間違っていた事にも気づかされました。
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■■ 7月25日  大会2日目
●1 排泄について
 排泄に関する講義について学んできました。他施設の老健では、オムツを出来るだけ取り外す為にその方の独自の排泄・排便のアセスメントを作成。そこから排尿パターンを把握し在宅復帰も視野にいれてその方にあった定時誘導を実施することでオムツを無くそうという取り組みをされていました。
★思ったこと
 今回のこの演題を聞いて、自施設でも現在、在宅復帰等の支援を行っており、排泄での失敗等が家族にとっても在宅復帰の課題に直面している。そういった中で、発表内でもあった通り1人1人個々の排泄パターンのアセスメントを取り、定時誘導を行なうことで排泄での失敗が無くなる事で在宅支援に繋げられると考えられる。

●2 ターミナルケアについて
 ターミナルについて、他施設の発表でターミナルカンファレンスを行っていく上で、今後ターミナル期に入られた利用者の家族の方に説明する際にそれぞれの専門職が集まり参加することでどのように対応を行うかなどの話し合いが具体的に出来ているなと感じた。また、ターミナル期の利用者の家族に対し、今後の意向についてという点で、緊急時の対応についての選択肢として(心臓マッサージを行うか・点滴治療を行うか・)酸素吸入を行うかなど)詳しく説明を行うことで、家族の意向が「何もせず安楽にしてほしい」と言っていた方が「私達がかけつけるまでここまで対応してほしい」など明確になったと言う発表がありました。
★思ったこと
 自施設でもターミナル期の方を何名か今まで介護等を行って来た。緊急時に今までは、家族の方に説明し同意書も頂いているが、実際に家族との説明の場には自分自身参加した経験がありませんでした。しかし、今回の発表を行っていた施設では、家族の方と話す場には必ずそれぞれの専門職が参加していると聞き、私自信入所の担当ではありませんが参加して見たいと思いました。それぞれの専門性の観点から家族へ説明する事で、自分達がターミナル期の利用者の方に対して行える介護が少しでも増えるのではないのかと感じました。
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■■ 7月26日 大会3日目。
●1  認知症について
認知症利用者についての講義を聞きました。認知症利用者の方で、よくエレベータを使用し独歩にて離設をされる方で、自宅への帰宅願望が強い方です。自施設でも、似た様な方でエレベーターの方に行き乗って帰ろうとされる方がおられます。その行為を止めようとすると大きな声で叫んだり暴力をふろうとされます。発表をされた施設の方の対応は以下の通りです。①散歩(職員が着きそう)②利用者の家族の方と話し合いを行い面会に毎日来て頂く。③その方が何故離説使用とされるかを明確にすると言うものでした。家族の方と連絡をみつに行ない毎週1回外出の機会を確保することで帰宅願望を訴える機会が軽減したそうです。
 自宅へ帰った利用者の方は、職員の方が普段目にする事のない笑顔だったそうです。「自宅へ帰りたい」とは誰もが思う事だと思います。私達も、決して例外ではないと考えます。本人の意思を尊重すると言う事はとても大変な事だと思います。その場面で「もうちょっとしたら帰れるよ」とか「行ったらダメ」などの言葉かけを行う事は職員の身勝手なその場だけの対応になっているのではと思いました。職員が付き添いの元。外に散歩をする事でまた違うのではないのかと考えています。現在、業務に追われることで利用者の方に対して、昔は職員の人数もおり利用者の方と業務以外の時間で触れ合う事が出来ていたが、職員の人数も減り満足の行った介護が行えておらず、今回の発表を通してもう1度昔の自分と向き合える機会に与えられました。

●2  レクリエーションについて
  レクリエーションの講義の中で特に注目したのが外出行事です。自施設でも入所利用者の方を対象とした、外出行事が年に数回あります。しかし、現状では、利用者全員の外出行事参加は、実際には病気等の関係で行なえていないのが現状です。そんな中、発表があった施設では、同じく入所利用者の方を対象とした、全職員が参加し全利用者参加型の外出行事がありとても興味をもちました。外出行事を行なうに辺り、家族への参加の依頼や、事前にルートの確認・管理栄養士付き添いの元食事のチェックなど行なったそうです。外出を通して、普段ブレンダーやキザミ食しか食べる事の出来ない利用者の方が、外食を行う事で普通食が食べれたり、会話をしている際に、元気であった頃、外出行事の場所にいった思い出の話など、普段とは違った利用者の方の表情などがみれたそうです。講義を通して感じたのは、普段とは違った環境の変化という物は、施設内での生活では垣間みる事の出来ない、とてもすばらしい自然な「力」ではないのかと思いました。自施設でも少人数での外出行事はあったが職員の人数などから大規模な外出行事はありません。しかし、今回の発表を通して外出行事をする機会をもっと増やす事で、利用者の方の刺激にもなり、今後の生活にも良い影響を及ぼすのではないのかと考えています。
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■■ さいごに
 今回、3日間の研修を通して感じたのは、全国の老健施設に携わる職員が集まり発表を行なう、又は聞く機会は普段ではありません。参加人数にも、限りがあります。しかし、私自身初めて大きな大会に参加さして頂き、他施設での現状や、自施設でも同じような課題で悩んでる事に対してどのように対応しているかなど、勉強になる事は多々ありました。同じ現場で働いているからこそ分かり合えるものがあると思います。そういった事も、直接話す事で共感し問題解決の糸口になったと考えます。今回研修に参加さして頂き、今後介護を行なっていく上でとても貴重な体験だったと思います。
 研修を通して、経験した事は今後、私自身の「介護」に繋がると思いました。参加出来たことを感謝しています。